CEM社製マイクロウェーブ分解システム
マイクロウェーブ分解装置 BLADE
特長
① 最大300℃での密閉分解で難分解性試料にも対応
BLADEは高温での分解にも対応し、最大300℃での密閉分解により
難分解性試料も容易に処理します。研究開発や環境調査、食品分析
など、さまざまな試料に柔軟に対応可能です。
② 高温分解時でも安全
試料分解時に発生するガスによって過剰な高圧状態にならないように
制御をすることで、安全に分解することが可能です。高度な技術に
よる圧力管理システムが、試料容器や装置に負担をかけることなく
高温分解をサポートします。
③ 攪拌機能搭載で高速分解を達成
BLADEには、高速撹拌機能が搭載されており、分解スピードがさらに
向上しています。攪拌により試料全体が均一に処理され、1サンプル
あたり最短10分(冷却時間含む)で分解を完了します。短時間での
処理が求められる現代の研究ニーズに完璧に応えます。
スピード
・1サンプルあたり約10分
・優れたマイクロ波密度
・高速撹拌
・急なサンプルが発生した際に分解の順序変更が可能(割り込み可能)
・メソッド開発もスムーズ
シンプル
分解に必要なものは下記3点のみ!
・高純度石英容器
・ディスポーザブルキャップ
・攪拌子
容器選びは不要です。
※HF使用時にはTFMライナーを装着
フレキシビリティ
・12x2、計24本のサンプルを連続処理可能
・異なる試料種および硝酸、塩酸、フッ化水素酸などの
異なる酸種を異なるメソッドで連続自動処理
・バーコードスキャンにより、計量から分析までサンプルの追跡が可能
・酸分解処理室へのセット/酸分解処理室からの取り出しが自動
ビジュアルパフォーマンス
・高精細カメラ
・分解状況を目視で確認
導入事例
食品分析
ある食品メーカーでは、BLADEを導入することで食品の栄養成分分析にかかる時間を大幅に短縮できました。従来の方法では1時間以上かかっていた処理が、BLADEにより1サンプルわずか10分で完了。迅速な分析が可能になり、新商品の開発スピードが飛躍的に向上しています。
材料分析(化学品、金属)
BLADEは様々な材料の分解に役立っています。従来では設定ができなかった高温分解によって分解が可能になりました。また、新たな材料の分析では酸・温度条件の検討が都度必要になりますが、BLADEは短時間でいくつもメソッドを試せるので効率が大幅にあがりました。
医療および医薬品
BLADEはさまざまな生体試料の分解や、医薬品不純物の前処理として役に立っています。容器セッティングが非常に簡便なことが魅力的でした。さらに従来の装置ではドラフトで密閉容器内のガス抜きをする必要がありましたが、BLADEは安全な温度と圧力になるまで冷却と圧力開放をしてくれるので、作業者も安心して使用ができています。
環境および土壌分析
BLADEは環境調査の場でも活躍中です。土壌や鉱物サンプルを高温かつ効率的に分解し、正確なデータを短時間で得られます。従来必要だった手作業も大幅に削減でき、特に大量のサンプル処理に適した装置として高く評価されています。
仕様
サイズ(W×D×H)・重量 | 48×64×75cm 59kg(装置横は20cm、裏は約5cmのスペースが必要) |
電源 | 200V 20Aまたは100V 15A(発注時に選択) |
操作ディスプレイ | フルカラータッチスクリーン |
ソフトウェア言語 | 日本語(8ヶ国語対応) |
メソッド、データ保存 | 可能 |
データ出力 | USBメモリにて取り出し可能(CSV, PDF形式) |
方式 | サンプルを自動的に装填・取り外しをする連続シーケンシャル方式 |
ガス設備 | 不要 |
届出の必要 | 高周波利用許可申請が必要 |
冷却水循環装置の有無 | 無 |
搭載マグネトロン(最大出力) | 600W |
最大マイクロ波密度 | 約350W/L |
分解中の試料モニター | あり (高解像度の装置内蔵カメラによりリアルタイムで観察可能) |
容器材質 | 高純度石英容器 (フッ酸使用時はテフロンライナーを挿入して使用可能) |
容器セッティング | テフロンキャップをはめるのみ(工具等は不要) |
最大設定可能温度 | 300℃ |
温度モニター | 非接触容器内部溶液温度測定・iWave温度センサー |
過剰圧への対策 | ベント※1 |
最大同時処理本数 | 1本(オートサンプラーに24本設置、連続処理可) |
※1 上限圧力を超えないようにマイクロ波出力を制御しますが、自己反応が継続して圧力が規定値に到達した
場合は容器内ガスを一時開放をして圧力を下げ、再密閉します。