技術情報

GC の自動立ち上げ(START UP)

GC-4000 Plus Aタイプ(全電子式流調)では、AUTO 画面でSTART UP を「ON」にするとカラム恒温槽、注入口、検出器を前回使用した条件(現在記憶している条件)で自動立ち上げすることができます。START UP の設定を「ON」にすると、最初にINJ、AUX の圧力・流量設定、または水素の設定が「ON」になり、キャリヤーガスのパージ、または水素のパージを開始します。キャリヤーガスのパージは、各部の温度を上げる前にカラム内の空気をキャリヤーガスでカラム外に排出して、カラムの劣化を防ぐために行います。水素のパージは水素濃度が安定するまでに一定の始動時間が必要な水素ガス発生機などを使用されている場合など、水素の濃度を安定させFID の点火不良を防止する目的で行います。設定したパージ時間が経過すると各部の温度設定が「ON」になります。最後に検出器の設定を「ON」にし、FID の場合は点火動作を実行します。FID の点火動作が終了するとSTART UP の設定が自動的に「OFF」になり自動立ち上げが終了します。自動立ち上げは、AUTO 画面で「YES」に設定されている項目のみ実行します。

1. AUTO 画面を表示させます。
<AUTO>キーを押して、AUTO画面を表示させます。

2. 自動立ち上げの項目を選択します。
<▼><▲>キーで自動立ち上げを行う項目の行に行カーソルを移動します。<ON/YES>キーを押して選択します。選択されている行の右側に「YES」と表示されます。自動立ち上げを行う全ての項目を選択します。解除する場合には項目毎に<OFF/NO>キーを押し「NO」を設定します。

3. キャリヤーガスのパージ時間を設定します。
<▼>キーで「C. PURGE TIME」の行に行カーソルを移動します。希望するパージ時間<数値> <ENTER>とキー入力します。入力範囲は0~99.9分、最小単位は0.1分、初期値は10分です。

4.水素のパージ時間を設定します。
<▼>キーで「H2 PURGE TIME」の行に行カーソルを移動します。希望するパージ時間<数値> <ENTER>とキー入力します。入力範囲は0~15.0分、最小単位は0.1分、初期値は1分です。

5.自動立ち上げを開始します。
<▲>キーで「START UP」の行に行カーソルを移動します。<ON/YES>キーを押して自動立ち上げを開始します。ステータスにSTART UPと表示されます。キャリヤーガス、または水素のパージを開始し、「PURGE R. TIME」の行にパージ時間の残り時間が表示されます。

6. 自動立ち上げ(1)
パージ時間のカウントダウンが終了すると、「PURGE R. TIME」に「--.-」が表示され、各部の温度設定および、TCDを選択している場合はTCD電流、FIDを選択している場合は空気、メイクアップガスの流量設定が「ON」になります。水素のパージを行った場合は水素の流量設定が「OFF」になります。

7.自動立ち上げ(2)
FIDを選択している場合、「UNDER IGNITION」の画面に切り替わります。FIDの測定温度が150℃を超えると、水素の流量設定が「ON」になり、FIDの点火を開始します。「UNDER IGNITION」の画面が表示されている時は、自動立ち上げを途中で中止するための、<OFF/NO>キー以外のキー操作は行えません。

8. 自動立ち上げの終了
自動立ち上げで選択されていた項目の設定が終了すると「START UP」の表示が「OFF」に変わり自動立ち上げが終了します。