ニードルの選び方
1. シリンジに適合するニードルを探す
OPTION 1:シリンジの接続形状がわかる場合
以下は、交換可能なニードルに対応するシリンジの接続形状です。お手持ちのシリンジの接続形状を確認し、該当するニードルハブのページで、適合するニードルの品番をご確認ください。
| 接続形状 |
|
対応交換針
|
|---|---|---|
| TLL 型 PTFEルアーロック |
![]() |
メタルハブ付き交換針
CTFEハブ付き交換針 |
| LTN LT 型 ルアーチップ |
![]() |
CTFEハブ付き交換針
|
| RN交換針型 100 μL 以下 |
![]() |
RN交換針
Small Hubニードル (2.5 µL〜100 µL) |
| RN交換針型 250 μL 以上 |
![]() |
RN交換針 Large Hubニードル (250 µL〜10 mL) |
| SL型 サンプルロック |
![]() |
RN交換針 Large Hubニードル (250 µL〜10 mL) |
OPTION 2:シリンジの品番から探す
シリンジの品番は分かっているが、接続形状が不明な場合は、ハミルトン社の公式ウェブサイト(www.hamiltoncompany.com)で品番を検索すると、製品ページに接続形状の種類と対応するニードルハブが表示されます。接続形状が特定できたら、OPTION 1の手順を参照し、適合するニードルを確認してください。
OPTION 3:プラスチックシリンジに適合する針を探す
多くのプラスチックシリンジは、業界標準のルアーコネクター、またはルアーロックコネクターを採用しています。これらのシリンジには、ハミルトン製メタルハ付き交換針およびCTFEハブ付き交換針の両方が使用可能です。
2. 各種ニードルの概要
ハミルトン社が提供する各種ニードルの概要をはじめ、ハブ形状の種類、針先形状とベベル長の算出方法、ニードルの長さ、および用途に応じたゲージ選定の考え方について紹介します。
ニードルの構造
ニードルハブは針管(ニードルチューブ)に接続され、シリンジやチューブ、フィッティングなどとの接続部として機能します。反対側の先端は、用途に応じて適切な針先形状(ポイントスタイル)に加工されています。
ニードルハブの形状
ルアーロック型
標準的なルアー仕様、またはルアーロック仕様のシリンジおよびフィッティングに適合します。
| ニードルハブ 形状 |
|
対応
ゲージ数 |
対応製品
|
|---|---|---|---|
| メタルハブ | ![]() |
33 - 10 | TLL型(25 μL - 2 L) |
| CTFEハブ | ![]() |
31 - 10 | TLL型(25 μL - 2 L) LT型(10 μL - 10 mL) |
RN (Removable Needle) 型
シリンジの目盛りの基準位置に密着するよう設計されており、デッドボリュームを最小限に抑え、シリンジ内部への液体の充填を完全に行うことができます。Small Hub RNとLarge Hub RNの違いは、ハブおよびフェルールの外径にあります。また、Small Hub RNには2種類があり、27ゲージより細いニードルではチューブ壁が薄いため、ハブを固定する構造が異なります。
| ニードルハブ 形状 |
|
対応
ゲージ数 |
対応製品
|
|---|---|---|---|
| Small Hub RN | ![]() |
26 - 18 | RN型(2.5 μL〜100 μL) |
| Small Hub RN | 31 - 27 | RN型(2.5 μL〜100 μL) | |
| Large Hub RN | ![]() |
26s - 20 | RN型(250 μL〜10 mL) SL型 (250 μL〜100 mL) |
針先形状(ポイントスタイル)
ハミルトン社では、用途に応じて複数のニードルポイント(針先形状)を用意しています。ほとんどのシリンジおよびニードルの標準長は51 mmです。ニードルのゲージ・長さ・針先形状は、用途に合わせてカスタマイズすることも可能です。
| 型 式 (PST) |
形状
|
説明
|
アプリケーション |
ゲージ数
|
|---|---|---|---|---|
| 2 |
![]() |
10〜12°の斜めカット、 カーブ形状で試料をくり抜かないタイプの針先 | ガスクロマトグラフでの セプタム貫通用 |
33 - 10
|
| 3 |
![]() |
鈍端で電解研磨仕上げされた針先 固定針 |
HPLCへの注入、TLC、一般的な液体ハンドリング、および動物への制御注射などに使用 |
34 - 10
|
| 4 |
![]() |
10〜12°の斜めカット、 針先。その他の角度もご要望に応じて対応可能 ライフサイエンス/動物注射用 |
&Kel-F製のニードルおよび フィッティングに対応 |
34 - 10
|
| 5 | ![]() |
PTFE 試料のくり抜きを防ぐためのサイドポート付き円錐形針先 |
ヘッドスペース分析など、ニードルの詰まりが起こりやすい用途に適している。セプタムへの損傷を最小限に抑える設計 | 26 - 10 |
| AS | ![]() |
複数回の注入に耐えられるよう設計された、くり抜き防止型円錐形針先 | オートサンプラーによる注入、 および事前に貫通済みのセプタム用 | 26 - 10 |
ポイントスタイル4の斜めカット長(ベベル長)の計算方法
神経科学分野での注入では、脳内でニードルを正確な位置に挿入することが求められます。液体はニードルの斜めカットの始点から排出されるため、そのカットの長さ(先端角の長さ)を正確に把握することが重要です。ニードルチューブの外径(OD)と先端の角度が分かれば、この長さを計算することができます。
例:
27ゲージのニードル(外径 0.413 mm)で、ポイントスタイル4・先端角度30°の場合:斜めカットの長さ(ベベル長)は次の式で求められます。
ベベル長 = 0.413 mm ÷ tan30° = 0.715 mm
ニードル長さの指定方法
ハミルトン社の標準ニードル長は、51 mm(±1 mm)です。カスタム長を指定する場合は、どの位置からどの位置までを長さとして定義するかを正確に理解することが重要です。下表に、ハブの種類ごとに発注時に指定される長さの測定位置を示しています。
| ニードルハブ 形状 |
長さの測定方法
|
参考図
|
|---|---|---|
| メタルハブ | ニードルの長さは、針先からハブの根元までの距離として指定されます。 |
![]() |
| CTFEハブ | ニードルの長さは、針先からハブの根元までの距離として指定されます。 |
![]() |
| Large Hub RN (26s - 20ゲージ) Small Hub RN (26 - 18ゲージ) |
ニードルの長さは、針先からRNナットの根元までの距離として指定されます。なお、針先からハブまでの距離は「長さ+1.8 mm」となります。 |
![]() |
| Small Hub RN (31 – 27ゲージ) |
ニードルの長さは、針先からサポートスリーブの根元までの距離として指定されます。 | ![]() |
カスタムニードルは、10 mmから304 mmまでの長さで製作可能です。
それ以上の長さが必要な場合は、お問い合わせください。
適切なゲージの選定
ニードルのゲージは、針の製造に使用されるチューブの外径を示します。ゲージ番号が大きくなるほど、針の外径は小さくなります。つまり、10ゲージは33ゲージよりも太い針です。同じゲージでもチューブの肉厚(壁厚)が異なるタイプがあり、これによって内径が変化します。ハミルトンでは、厚肉タイプのチューブを示す場合、ゲージ番号の後に「s」を付けて表記します。たとえば、26sは26ゲージの厚肉仕様を意味します。
ニードルに使用されているチューブの寸法については、ゲージ一覧表を参照してください。
250 μL以下のシリンジに関する注意事項
250 µL以下の小容量シリンジには、「s」付き(厚肉)ゲージチューブと固定針タイプ、またはRN交換針タイプの使用を推奨します。小容量シリンジでは、ニードル内のデッドボリュームが特に重要です。デッドボリュームが大きすぎると、シリンジ内部への液体の充填(プライミング)が困難になります。希望するゲージに厚肉タイプがない場合や、ルアーロックハブを使用する場合には、特別な充填操作が必要となることがあります。
理想的には、デッドボリュームはシリンジの定格吐出量の20%を超えないことが望まれます。
デッドボリュームとは?
デッドボリュームとは、注入後にニードル内に残留する液体の体積を指します。正確な吐出を行うためには、このデッドボリューム部分をサンプルで完全に満たす(プライミングする)必要があります。そのために、吸引と吐出を繰り返して気泡を除去し、システム内をサンプルで置き換えます。一度プライミングが完了すると、このデッドボリューム部分はシリンジの吸引量や吐出量には影響しません。
ニードルのデッドボリュームの計算方法
ニードルチューブのデッドボリュームおよび寸法は、ゲージ一覧表に記載されています。デッドボリュームは、以下の式で計算できます。
デッドボリューム = (内径 ÷ 2)² × π × ニードル長
この値にニードルハブ部分のデッドボリュームを加えると、ニードル全体のデッドボリュームが求められます。
・メタルハブまたはCTFEハブ付きニードルをハミルトンシリンジに接続する場合は、10 µLを
加算してください。
・RN交換針タイプでは、追加のデッドボリュームはありません。
500 μL以上のシリンジに関する注意事項
この容量のシリンジでは、流体の流速と背圧が最も重要な検討要素となります。
27ゲージ以下の細いニードルを使用することも可能ですが、プランジャーを押す力が増加し、吐出速度を遅くする必要があります。可能であれば、“s”付き(厚肉)ゲージチューブではなく、薄肉チューブの使用を推奨します。
細径ニードルの長さと曲がりに関する注意事項
ニードル径が細くなるほど、剛性が低下し、曲がりやすくなります。小径ニードルが必要でありながら、貫通時の剛性を保つ必要がある場合は、用途に支障のない範囲でできるだけ短いニードルを選ぶことを推奨します。
また、Neurosシリンジも選択肢の一つです。このモデルは、細径ニードルの剛性を高める保護スリーブを備えています。
34ゲージニードルの使用について
34ゲージニードルは、33ゲージよりもさらに細い極細タイプです。一部の用途ではこの細さが大きな利点となりますが、構造上の制約や取り扱い上の注意点もあります。
34ゲージのチューブは、つぶれを防ぐために特殊な切断工具を使用する必要があるため、対応する長さや針先形状(ポイントスタイル)は限定的です。また、内径(ID)が非常に小さいため、詰まりが発生しやすく、このサイズにはクリーニングワイヤーが用意されていません。さらに、マイクロシリンジでは水の吸引が困難なため、34ゲージニードルを使用する場合はガスタイトシリンジを推奨します。
ゲージ一覧表(Gauge Index)
ゲージ一覧表には、ハミルトン製ニードルに使用されているチューブの公称内径および外径が記載されています。もしニードルのデッドボリュームがシリンジの定格容量の20%を超える場合は、特別な充填操作が必要となることがあります。
一覧表では、デッドボリュームが「μL / mm」で示されているため、使用するシリンジ容量に対してそのゲージが適しているかを容易に判断できます。
| 一般的な用途 |
ゲージ
|
針公称外径
(mm) |
針の公称内径 (mm) |
針壁の厚さ (mm) |
ニードルデッド
ボリューム (μL / mm) |
|---|---|---|---|---|---|
| ライフサイエンス | 34 | 0.159 | 0.051 | 0.051 | 0.052 / 25.4 |
| 33 | 0.210 | 0.108 | 0.051 | 0.233 / 25.4 | |
| 32 | 0.235 | 0.108 | 0.064 | 0.233 / 25.4 | |
| 31 | 0.261 | 0.133 | 0.064 | 0.353 / 25.4 | |
| 30 | 0.312 | 0.159 | 0.076 | 0.504 / 25.4 | |
| 29 | 0.337 | 0.184 | 0.076 | 0.674 / 25.4 | |
| 28 | 0.362 | 0.184 | 0.089 | 0.675 / 25.4 | |
| 27 | 0.413 | 0.210 | 0.102 | 0.876 / 25.4 | |
| クロマトグラフィー | 26s | 0.474 | 0.127 | 0.178 | 0.322 / 25.4 |
| 26 | 0.464 | 0.260 | 0.102 | 1.349 / 25.4 | |
| 25s | 0.515 | 0.153 | 0.178 | 0.464 / 25.4 | |
| 25 | 0.515 | 0.260 | 0.127 | 1.349 / 25.4 | |
| 24 | 0.566 | 0.311 | 0.127 | 1.930 / 25.4 | |
| 23s | 0.642 | 0.116 | 0.267 | 0.268 / 25.4 | |
| 23 | 0.642 | 0.337 | 0.152 | 2.266 / 25.4 | |
| 22s | 0.718 | 0.168 | 0.279 | 0.563 / 25.4 | |
| 22 | 0.718 | 0.413 | 0.152 | 3.403 / 25.4 | |
| 一般的な流体処理 | 21 | 0.819 | 0.514 | 0.152 | 5.271 / 25.4 |
| 20 | 0.908 | 0.603 | 0.152 | 7.255 / 25.4 | |
| 19 | 1.067 | 0.686 | 0.191 | 9.389 / 25.4 | |
| 18 | 1.270 | 0.838 | 0.216 | 14.011 / 25.4 | |
| 17 | 1.473 | 1.067 | 0.203 | 22.715 / 25.4 | |
| 16 | 1.651 | 1.194 | 0.229 | 28.444 / 25.4 | |
| 15 | 1.829 | 1.372 | 0.229 | 37.529 / 25.4 | |
| 14 | 2.109 | 1.600 | 0.254 | 51.076 / 25.4 | |
| 13 | 2.413 | 1.804 | 0.305 | 64.895 / 25.4 | |
| 12 | 2.769 | 2.159 | 0.305 | 93.000 / 25.4 | |
| 11 | 3.048 | 2.388 | 0.33 | 113.728 / 25.4 | |
| 10 | 3.404 | 2.693 | 0.356 | 144.641 / 25.4 |
5. 各種ガスタイトシリンジの概要
ガスタイトシリンジは、液体および気体の分注のどちらにも適したシリンジです。ポリマープランジャーチップを採用しており、漏れのないシールを形成します。従来はPTFE製チップが標準ですが、用途に応じて他の素材も使用されます。ポリマーチップは、シリンジバレル内面を拭き取るように動作し、サンプル残留を防止。これにより、塩類・タンパク質・DNAなどを含む溶液を扱う際でも、シリンジ寿命を延ばすことができます。
1000 シリーズ
1000シリーズは、液体および気体のあらゆるハンドリング用途に対応する中~大容量シリンジで、シリンジポンプや自動分注装置の標準モデルとして広く使用されています。全モデルに#6-32ねじ穴付きプランジャーを標準装備しており、シリンジポンプなどの装置への確実で安定した接続が可能です。
1700シリーズ
1700シリーズは、700シリーズシリンジのガスタイト仕様モデルです。研究および製造ラボにおける少量の液体・気体ハンドリングニーズに対応するよう設計されています。
シリンジポンプへの接続用として、#6-32ねじ穴付きプランジャーとプランジャーストップ機能を備えたラインアップも用意しています(写真は1710TLLX)。プランジャーストップ機能により、過剰な押し込みによるチップ損傷を防止し、シリンジの長寿命化を実現します。
注)通常仕様のラインアップには、これらの機能は装備されていません。













































