GC・GC/MS メタボロミクスライブラリ
効率的でより正確な定性のために-GC/MS メタボロミクスライブラリ
GC・GC/MSで測定できる代謝物は、炭化水素、芳香族化合物、テルペン、エステル、ラクトン、アルコールなどですが、誘導体化を行うことでアミノ酸、有機酸、糖、核酸塩基などの親水性低分子化合物も測定の対象とすることができます。ここでは、これらの代謝物の中でも誘導体化(オキシム化とトリメチルシリル化(TMS化))後GC・GC/MSで網羅的に測定する化合物を対象に、効率的に、より正確に定性するためのツールを紹介します。
GC/MSメタボロミクスライブラリ InertCap 5MS Metabolomics
GC/MSでは保持情報とマススペクトルからより簡単に同定を行うことができます。これは、保持に再現性がありかつ保持指標が使えるGCという手法と、装置間の差が小さく安定したマススペクトルが得られるEIというイオン化法が用いられるためです。 「GC/MSメタボロミクスライブラリ InertCap 5MS Metabolomics」は、化合物名と保持情報、マススペクトルから構成されており、自動ピーク同定から多変量解析機能を有するフリーのソフトウェア「AIoutput」で使用できる形式になっています。AIoutputでの自動ピーク同定機能は、保持情報とm/z 85から500までのマススペクトルを利用し、次のような結果を出力します。
AIoutputとAIoutputで使用するライブラリは、理化学研究所のHPからダウンロードできます。
定量に関する議論を行うにあたり、目的化合物の誘導体化後の構造や、前処理や測定の間に起きる分解・変性などの情報を知っておくことが重要です。ここでは、化合物情報や保持情報、マススペクトルに加え、誘導体化後の構造や誘導体化や測定の間におこる分解・変性情報を付記したライブラリを紹介します。また、個々の化合物の分解・変性についての詳細もこちらにまとめ、更新していきます。
誘導体化後の構造や分解・変性情報を付記したライブラリは、ESI友の会のHPからダウンロードできます。
個々の化合物の分解・変性についてはこちらにまとめています。
測定に必要な消耗品
アミノ酸、有機酸、糖、核酸塩基などの代謝物を、GC・GC/MSを用いて網羅的に測定する際にはオキシム化とトリメチルシリル化(TMS化)を行います。誘導体化と測定条件の一例とともに消耗品を紹介します。
誘導体化の一例
誘導体化試薬/代謝物分析用混合試料
誘導体化試薬
代謝物分析用混合試料
バイアル/キャップ/セプタム
バイアルセット
- National Scientific製オートサンプラーバイアルセット
- La-Pha-Pack製オートサンプラーバイアルセット
バイアル
- National Scientific製オートサンプラーバイアル
- La-Pha-Pack製オートサンプラーバイアル
キャップ/セプタム
- National Scientific製キャップ/セプタム
- La-Pha-Pack製キャップ/セプタム
GC注入口セプタム
GC注入口ライナー
GCキャピラリーカラム用フェラル
GCやGC/MSの注入口・検出器にキャピラリーカラムを接続するために使用するグラファイトべスぺスフェラルとグラファイトフェラルです。
GCキャピラリーカラム
- InertCap 5MS Metabolomicsの詳細はこちら
こんな時にあったら便利なグッズ紹介
ガス漏れかな?と思ったら リークディテクターLD239
充電式でコンパクトなガス漏れ検出器です。
- リークディテクター LD-239の詳細はこちら
キャピラリーカラムの出口の流量測定には デジタルフローメーターGF 1010
ハンディタイプの体積流量計です。
- ガス流量計 GF 1010詳細はこちら
ライブラリを使用するための測定条件
ライブラリは化合物名と保持情報、マススペクトルから構成されています。ライブラリを利用する際は、測定条件をライブラリのデータ取得時と同じにすることで正確性が高まります。
装置
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GC-MS
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キャピラリーカラム
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InertCap 5MS Metabolomics 0.25 mm I.D. × 30 m df = 0.25µm (Cat.No. 1010-18642)
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試料導入法
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Split 25:1
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気化室温度
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230℃
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カラムオーブン温度
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80℃(2 min) - 15℃ /min - 330℃(9 min)
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キャリヤーガス
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He 39cm/s
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セプタムパージ流量
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5 mL/min
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インターフェイス温度
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250℃
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イオン源温度
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200℃
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測定モード
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Scan m/z = 85~500
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試料導入量
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1µL
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取得したデータをライブラリにあわせこむには
取得したデータ(実データ)をライブラリにあわせこむにはn-アルカンを利用します。n-アルカンの保持時間より保持指標を算出し、ライブラリの保持指標にあわせこみます。 AIoutputを使用する際には、実データ取得時の測定条件*でC10からC40までのn-アルカンのデータを取得し、保持時間をAIoutput内のファイルに上書きすることで、自動でピーク同定を行うことができます。
測定条件
装置 | GC-MS |
キャピラリーカラム | nertCap 5MS Metabolomics 0.25 mm I.D. × 30 m df = 0.25µm (Cat.No. 1010-18642) |
試料導入法 | Split 25:1 |
気化室温度 | 230℃ |
カラムオーブン温度 | 80℃(2 min) - 15℃ /min - 330℃(9 min) |
キャリヤーガス | He 39cm/s |
セプタムパージ流量 | 5 mL/min |
インターフェイス温度 | 250℃ |
イオン源温度 | 200℃ |
測定モード | Scan m/z = 85~500 |
試料導入量 | 1µL |
- 炭化水素混合試料(C9-C40)の詳細はこちらから
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