キャピラリーカラムの取り付け方
キャピラリーカラム取り付けの準備
フューズシリカキャピラリーカラムは、キャピラリーカラムナットとグラファイトフェラルを使って、注入口及び検出器に接続しますグラファイトフェラルは、使用するカラムのサイズによって異なります。
キャピラリーカラムにグラファイトフェラルを通したとき、フェラルの屑がカラム先端に付着することがあります。そのままの状態で使い続けると、フェラルの屑がカラムの中に入り込んだ詰まりや、試料がフェラル屑に吸着するなどで、ピークのテーリングを引き起こします。これを防ぐためには、カラムを取り付ける前に、次の手順に従ってカラム先端の処理を行なってください。
参考にしてください
最高使用温度が350℃を超える条件でカラムを使用する場合、350℃に加熱した部分はカラムが劣化している可能性があります。再度使用する場合は、カラムの先端を切断してから使用してください。
セプタムパージ付ダイレクト注入口のキャピラリーカラムの取り付け
ヒューズドシリカキャピラリーカラムとライナーのシールの原理を示します。カラムはライナー下側の穴に挿入されます。この穴は、テーパ形状になっており上の方が細くなっています。カラムを挿入するとテーバ面にカラムの先端が当たり、その部分で直接シールされます。さらに、熱がかかるとカラムの外側にコーティングされているポリイミド樹脂の影響でシールがより強力になります。
セプタムパージ付ダイレクト注入口へキャピラリーカラムを取り付ける前に、専用のライナーを取り付けておいてください。
1. カラム恒温槽内にあるキャピラリーカラムハンガーにキャピラリーカラムのホルダーを掛けます。
2.注入口に取り付ける側のカラム先端に、カラムナットとグラファイトフェラル(GF-0.8)を通します。フェラルは尖った方がカラム先端を向くようにします。その後、カラム先端を少し切断します。
3.あらかじめライナーを取り付けておいた注入口に、カラムをゆっくりと入れます。カラム先端がライナーに突き当たったら、その位置を保ちながらカラムナットを手で締めます。その後、6mm のスパナでカラムナットを約 1/4 回転締めます。
4.カラム接続部分からガスが漏れているようであれば、さらに増し締めを行ってください。
スプリット/スプリットレス注入口へのキャピラリーカラムの取り付け
スプリット/スプリットレス注入口へキャピラリーカラムを取り付ける前に、カラムシールとシールナット及び専用のライナーを取り付けてください。
1.カラム恒温槽内にあるキャピラリーカラムハンガーにキャピラリーカラムのホルダーを掛けます。
2.注入口に取り付ける側のカラム先端に、カラムナットとグラファイトフェラル(GF-0.4またはGF-0.8)を通します。フェラルは尖った方がカラム先端を向くようにします。その後、カラム先端を少し切断します。
3.フェラルからカラム先端までの長さが約 12 mm になるように合わせ、マジックインキか修正液を使って、カラムナット底部のカラム位置に印をつけておきます。
4.あらかじめライナーを取り付けておいた注入口にカラムを真っ直ぐに入れます。手順“3”でカラムにつけた印がカラムナットの底部と一致するように気をつけながら、カラムナットを手でいっぱいに締め付けます。その後、6mm のスパナを使ってカラムナットを約 1/4 回転締めます。
5.カラム接続部分からガスが漏れているようであれば、さらに増し締めを行ってください。
6.ガラスウール入りの保温カップが取り付けられていない場合は取り付けます。保温カップの左側には切り込みがありますので、そこからカラムを通します。そして、保温カップをそのまま上にスライドさせて注入口ポートまで持っていき、カラム恒温槽の天井に2 本のねじで固定します。
FID へのキャピラリーカラムの取り付け
FID へキャピラリーカラムを取り付ける前に、あらかじめFID キャピラリーカラムアダプターを取り付けてください。
1.検出器に取り付ける側のカラム先端に、キャピラリーカラムナットとグラファイトフェラル(GF-0.5 または GF-0.8)を通します。フェラルは尖った方がカラム先端を向くようにします。その後、カラム先端を少し切断します。
2.あらかじめFIDに取り付けておいたキャピラリーカラムアダプターに、カラムをゆっくりと入れます。カラム先端がFIDノズルに突き当たったら(フェラルからカラム先端までの長さが約 65 mm)、カラムナットを手で締め付けます。その後、カラムを約1mm引き戻します。
3.FIDキャピラリーカラムアダプターが回らないよう、10mmのスパナでキャピラリーカラムアダプターを押さえながら、6mmのスパナでカラムナットを約 1/4 回転締付けます。
4.カラム接続部分からガスが漏れているようであれば、カラムナットの増し締めを行ってください。