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HPLCのまめ知識

クロマトグラフィーの基本用語集

基本用語

保持時間 tR

保持時間tRは、各成分におけるピークトップの時間を示します。
この保持時間により目的化合物の定性を行うので、保持時間の再現性を確認することは非常に重要です。

保持比 k

保持比は、保持時間(tR)とt0から求められます。
t0は、同一条件下において保持が全く生じていない標準試料(果糖、尿酸、重水、水、亜硝酸ナトリウム、アセトニトリルなど)の溶出時間です。
保持比で表しておくと、保持時間とは違って流量やカラム長さが異なる場合でも比較することがあります。

分離度 Rs

2つのピークがどれくらい良好に分離しているかを評価する場合には、分離度を用います。
分離度の値が1.5以上であることが完全分離の目安となっています。
また、分離度を保持比と理論段数および分離係数によって表すと、

となります。

シンメトリー係数(テーリングとリーディング) Asy

ピーク対称性(Asy)をシンメトリー係数(テーリングファクター)で示すことが可能です。

●テーリング(Asy > 1)の原因 
 ・ 試料のカラムへの吸着に起因
 ・ カラム以外の部分におけるデッドボリュームが影響
(この場合も、早く溶出するピークほど形状が悪くなることが多い)
 
●リーディング(Asy < 1)の原因 
 ・ 試料の負荷量のオーバーに起因
 
●すべてのピークのシンメトリー係数が1から大きく離れている場合 
 ・ カラム劣化やフィルターの目詰まりに起因