技術情報

HPLCのまめ知識

~有機合成後にカラムクロマトで分取・精製を行なっているお客様へ~
 HPLC分取を試してみませんか?

HPLCを使用する 2大メリット

  • 高理論段数
    • カラムクロマトの場合と比べて、およそ1/10ほどの粒子径の充填剤を使用できます。そのため、カラム長さあたりの分離性能が約10倍になります。
        ➡短時間で効率の良い分取・精製が実現!
  • 多様な充填剤ラインアップ
    • HPLCには様々な化学修飾をした充填剤があり、 分離カラムの選択肢が非常に豊富です。
        ➡目的成分に応じた充填剤が選択可能!

高理論段数

カラムクロマトによる精製では、一般的に粒子径50 μm付近のシリカゲルが使われています。
一方、HPLCでは粒子径5 mm付近の充填剤が使われるのが一般的です。
分離性能は、粒子径と反比例の関係にあると言われており、粒子径の小さい充填剤が使えるHPLCは、カラムクロマトに比べて非常に高い分離性能を有しています。

高理論段数を説明するクロマトグラム

多様な充填剤ラインアップ

HPLCカラムには多種多様な充填剤があるため、対象化合物に応じた最適なカラムを使用可能です。
例えばジオール基が化学修飾されたカラムは未修飾のシリカゲルカラムよりも全体的に保持が強いため、保持挙動を変えることができます。

多様な充填剤ラインアップを説明するクロマトグラム

 

● オススメ充填剤その1: InertSustain Amide ●

ODSカラムは疎水性相互作用で保持・分離を行うため、非常に極性が高い化合物は全く保持されず、分離・精製が困難なことがあります。
そのような場合には、HILICモードで使用することのできるInertSustain Amideがお薦めです。
糖や糖アルコールをはじめとする親水性化合物の分離・精製にもお使いいただけます。

InertSustain Amideを使用したクロマトグラム

● オススメ充填剤その2: Inertsil ODS-HL ●

ODSカラムは非常に守備範囲が広く、親水性の化合物から疎水性の化合物まで1本のカラムで分離・精製することができます。
その中でもInertsil ODS-HLは、炭素量が23%と高いため平面認識能にも優れ、異性体などの構造が類似した化合物の分離に非常に適したカラムです。さらに、多量の試料溶液を一度に注入してもピーク形状が崩れにくいという特長も有しています。

Inertsil ODS-HLを使用したクロマトグラム
Inertsil ODS-HLを使用したクロマトグラム

● オススメ分取HPLCシステム: PrepAce●

PrepAceの画像

◆ 高いカラム温度安定性による再現性の確保
➡プレヒートミキサーによりカラムと溶離液の温度を均一に保つことが可能です。

◆ リサイクル分取も選択可能
➡デッドボリューム部をカットする機構により、理論段数の低下を抑制し、リサイクル分離の効果を最大限に発揮した分取が行えます。

◆ 使いやすい専用ソフトウェア
➡各装置の制御がソフトウェアからダイレクトに行えます。

HPLCで分取・精製を上手に行うための技術資料