誘導体化試薬の使用例
Ⅲ章-1 UV試薬-1
紫外光に吸収されない化合物を簡単な反応により誘導体化し、UV検出器(254nm)で高感度に分析できるようにするための試薬です。脂肪酸・アルコール・アルデヒド・第一級および第二級アミン・アミノ酸・ケトン・フェノールなど、254nmにほとんど吸収されない化合物の分析に最適です。
DNBC
酢酸であらかじめpH4に調整した尿 2mLを、エチルエーテル 15 mL、ピリジン 0.2mL、5%K2CO3水溶液 2mLおよびDNBC 0.25g/mLのエーテル溶液 0.5mLとともに125mLの分液ロートにとり、20分間激しく振とうする。水層を捨て、エーテル層を2×5mL 5% Na2CO3、5%HCl 2×5mL、H2O2×5mLで洗浄する。Na2SO4上で乾燥し、さらに溶媒を乾固させる。シリカゲルTLCで展開し(CHCl3/H3OH(99:1))I2でスポットを出させ、CH3OHで溶出させて254nmでのUV吸収を読む。
Ref.:Neiderhiser, D.H., et al., J.Chromatogr., 117, 187(1976)
DNBC
DNBC 0.5gをピリジン 30mLに溶解する(PEG300~PEG1000に対しては20mLでよい)。1ミリ当量のグリコールを加え、よく混合して60ºCで15分間加熱する。pHを塩酸でpH2.5に調整し、室温まで冷やしてから酢酸ブチル 25mLを加える。酢酸ブチル層をとり、1% Na2CO3 50mL、0.5N H2SO3 25mL、水 10mLで洗う。酢酸ブチル溶液をHPLC分析を行う。
Ref.:Carey, M.A. and Persinger, A.F., J.Chromatogr. Sci., 10, 537(1972)
SNPA
1.5mgの試料をTHF 5mLに溶解し、50mgのSNPAを加え、60ºCで1時間反応させる。冷却した後HPLCで分析を行う。
(シリカカラムでの推奨溶媒はHeptane/CHCl3/CH3OH(85:14:1)v/v/v)
Ref.:Jupill, T.H., Am.Lab., 8(5), 85-92(1976)
PNBA
試料1~5mg、メタノール 4mL、TEA 2滴、PNBA 40mgを5mLのミニバイアルにとり、密栓して65ºCで1時間反応させる。室温に冷却後HPLCで分析を行う。
Ref.:Jupille, T.H., Am. Lab., 8(5), 85-92(1976)
PNBDI
3µmol脂肪酸・ジクロロメタン溶液 125µLに9µmolのPNBDI・ジクロロメタン溶液 125µLを加える。密栓して80ºCで2時間加熱する。冷却後HPLCで分析を行う。ステアリン酸で4pmolの感度が得られる。
Ref.:Knapp, D.R. and Kruegar, S.A., Anal. Lett., 8, 603(1975)