HPLCの上手な使い方
Ⅲ章-7 配管材料の種類
HPLCに使用されている配管材料には様々なものがあり、使用方法や使用場所に応じて使い分ける必要があります。したがってそれぞれの材料の性質をよく把握しておくことが大切です。ここではHPLCで用いられる配管材料の主なものについて特長と性質を説明します。
材質 | 特長 | 耐圧(kg/cm2) | 耐熱(℃) | 対薬品性 | 操作性 |
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SUS316 | 最も一般的で耐圧のある配管材料ですが耐蝕性に注意が必要です。 | >1000 | >500 | 強酸、強塩基ハロゲン化物を除く。 | ∆ |
チタン | SUSより耐蝕性があり不活性です。 |
>1000 | >500 | 強酸、ハロゲン化物、メタノールを除く。 | × |
PTFE | 耐圧は低いが、耐蝕性に優れています。 | 50~60 | 200 | ◎ | ○ |
PTFE B.T | PTFEより柔軟性に優れ、潰れにくい。 |
50~60 | 200 | ◎ | ◎ |
テフゼル | 耐圧はテフロンの約3倍で、対薬品性も同等です。 | 150 | 140 | pH1~14 | ◎ |
ピーク | テフゼルよりも高耐圧で、対薬品性に優れています。 | 500 | 250 | pH1~14 濃硫酸、濃硝酸を除く。 |
◎ |
ポリシル | アルミコートのフューズドシリカをポリマーで保護した構造で、高耐圧で内径が非常に小さくマイクロボアカラム用の配管として最適です。 | >400 | 60 | pH1~7 | ◎ |
注)これらは日立ミリオシネ型(OH)、日本分光長オシネ型(N)、島津逆オシネ型(S)には使えません。