技術情報

HPLCの上手な使い方

Ⅱ章-1 はじめに

HPLCでの分析を成功させるためには、第Ⅰ章に記述した数多くの充填剤の中から目的成分に最も適した充填剤を選択することはもちろんですが、その充填剤の性能を最大限に発揮できるような溶離液を調製することも重要です。一般的にHPLCの溶離液としては、水・アセトニトリル・メタノール・テトラヒドロフラン(以下THFと略記する)・ヘキサン・クロロホルムなどが使用されていますが、分析目的に応じて、これら以外にもさまざまな溶媒が使われており、さらに逆相系の分析に関しては、緩衡液を用いてpHを調節したり、イオン対試薬を用いて解離性サンプルの保持を強くしたりすることもあります。このように、多種多様の溶媒の中から1種類または2種類以上の溶媒を選択し、かつその混合比を変化させて最適条件を決定するには並み大抵の努力ではできませんが、その努力を惜しんでいては充分な結果が得られないと言っても過言ではないでしょう。本章には、溶離液を調製するにあたっての注意事項をまとめてありますので、よくお読みになった上で最適な溶離液を調製してください。