MonoTrapの上手な使い方
4章 - 1極性成分の捕集
脂肪酸やアルコールなどの極性成分や含窒素成分の捕集には、活性炭やグラファイトカーボンなどの吸着剤を含有したタイプが有効です。
●DCC18(活性炭有)とDSC18(活性炭無)の比較1
白ワインの香気成分をDCC18(活性炭有)とDSC18(活性炭無)で捕集しました。
フェニルエチルアルコールなど極性成分は、DCC18(活性炭有)の方が効率よく捕集できました。
●DCC18(活性炭有)とDSC18(活性炭無)の比較2
リモネン、シネオール、β-リナロール、メチルピラジン、2,6-ジメチルピラジン、インドール、カンフル、オクタン酸、クマリン、
2-アセトナフトンの10成分をメタノールに溶かし、各200 µg/mLに調製しました。以下、これを標準試料Aとします。
40 mLバイアルに標準試料Aを25 µL添加し、ヘッドスペースガスをDCC18(活性炭有)とDSC18(活性炭無)で捕集しました。極性成分のリナロールや、含窒素成分であるメチルピラジンの回収率*2は、DCC18(活性炭有)の方が顕著に高い結果になりました。
*2:各成分の回収率は、下記のように算出しました。
回収率(%)=A / B ×100
A:試料をMonoTrapで捕集し、溶媒抽出してGCで測定して得られたピーク面積値
B:試料をGCで測定して得られたピーク面積値
●RGC18 TD(グラファイトカーボン有)とRSC18 TD(グラファイトカーボン無)の比較
市販のレギュラーコーヒーの香気成分をRGC18 TD(グラファイトカーボン有)とRSC18 TD(グラファイトカーボン無)で捕集しました。含窒素成分やその他の成分のピーク面積値を比較すると、RSC18 TD(グラファイトカーボン無)と比較して、RGC18 TD(グラファイトカーボン有)の方が約2~4.8倍の面積値で検出されました(Table1)。
●RGPS TD(PDMS相、グラファイトカーボン有)での捕集
牛乳を腐らせ、香気成分をRGPS TD(PDMS相、グラファイトカーボン有)で捕集しました。
脂肪酸やアルコールなど極性成分も感度良く検出することができました。