技術情報

MonoTrapの上手な使い方

4章 - 4高沸点成分の捕集

吸着剤を含有したタイプは、高沸点成分を捕集しても脱離が不充分なために感度が低下します。極性が低い高沸点成分の捕集は、脱離能力が優れている吸着剤を含有していないタイプが有効です。
またPDMS相タイプは、グラファイトカーボンを含有していますが、脱離時に300 ℃まで温度を上げることができるため、高沸点成分も感度を得られます。

●RGC18 TD(グラファイトカーボン有)とRSC18 TD(グラファイトカーボン無)の比較

25 ng/mLの多環芳香族(PAHs)水溶液を、RGC18 TD(グラファイトカーボン有)とRSC18 TD(グラファイトカーボン無)で捕集しました。沸点545 ℃のベンゾ[g,h,i]ペリレンなど高沸点成分は、脱離に優れたRSC18 TD(グラファイトカーボン無)の方が高感度で測定できました。

回収率(%)=A / B ×100
A:試料をMonoTrapで捕集し、加熱脱離-GCで測定して得られたピーク面積値
B:試料をMonoTrapに直接シリンジスパイクし、加熱脱離-GCで測定して得られたピーク面積値