MonoTrapの上手な使い方
7章 - 1ブランクレベル
MonoTrapは、洗浄、コンディショニング済みですが、使用条件によってはブランクピークが検出される場合があります。ご使用になる条件であらかじめブランクを確認してください(6-2-1参照)。
●DCC18(活性炭有)のブランク
ブランクとして、DCC18(活性炭有)を開封後、捕集は行わずにジエチルエーテルで抽出しました。ブランクと比較する実試料として、ユリの香気成分をDCC18(活性炭有)を用いて捕集し、ジエチルエーテルで抽出しました。ブランク、実試料共に、抽出溶液は数µLまで濃縮しました。
実試料のクロマトグラムと比較し、非常に低ブランクであることが確認できました。ただし、ブランクのクロマトグラムでも数本のピークが検出されました。このように濃縮を行うと、ブランク成分が検出される場合があります。
●RGC18 TD(グラファイトカーボン有)のブランク確認(参考)
ブランクとして、RGC18 TD(グラファイトカーボン有)を開封後、捕集は行わずに加熱脱離を行いました。またブランクと比較する実試料として、着用直後の靴下をテドラーバッグに入れ、RGC18 TD(グラファイトカーボン有)を用いてパッシブ法で捕集後、加熱脱離を行いました。
ブランクと実試料のクロマトグラムを比較すると、RGC18 TD(グラファイトカーボン有)のブランクが非常に低いことがわかります。
●RGPS TD(PDMS相、グラファイトカーボン有)のブランク確認(参考)
ブランクとして、RGPS TD(PDMS相、グラファイトカーボン有)を開封後、捕集は行わずに加熱脱離を行いました。また比較として、RGC18 TD(グラファイトカーボン有)のブランクと、メープルシロップをRGPS TD(PDMS相、グラファイトカーボン有)を用いてHS法で捕集し、これらを加熱脱離しました。ブランクはスプリットレス、実試料はスプリットで測定を行いました。
実試料のクロマトグラムを比較すると、RGPS TD(PDMS相、グラファイトカーボン有)とRGC18 TD(グラファイトカーボン有)のブランクが低いことがわかります。またRGPS TD(PDMS相、グラファイトカーボン有)は脱離温度250 ℃でも非常にブランクが低いことがわかります。
注)室内の有機溶媒などを捕集してブランクピークとなる恐れがありますので、MonoTrapが入っているバイアルの蓋を開けたまま放置しないでください。
開封後は、すぐに使い切ることをお薦めします。
使用しない場合は、未開封の状態で、5 ℃で冷蔵することをお薦めします。
目的の感度によっては、ブランクが目立つ場合もあります。必ずブランクテストを行い、実分析と比較することをお薦めします。
お客様の分析系や試料濃度によっては、基材由来のSiOピークが目立つ場合があります。その際は、ブランク測定に使用した捕集剤を捕集に使用することができます。または、エージング装置などで、でヘリウムを10 mL/min以上パージしながら250 ℃で10 分程度ベーキングを行ってください。分析までへの保管・運搬は、ブランクレベルを把握できている清浄なバイアルを使用してください。