MonoTrapの上手な使い方
5章 - 2水系試料の捕集
5-2-4.pH調整の効果
水系試料中の成分の捕集には、塩析が効果的ですが(5-2-3.参照)、塩析に加えpH調整することで、回収率をさらに向上することができます。
●pH調整と回収率
リン酸でpH2に調整した15 %NaCl水溶液と、pH調製していない15 %NaCl水溶液にそれぞれ標準試料A (4-1参照)を25 μL添加し、DCC18(活性炭有)で、ヘッドスペース法と振とう法で捕集しました(水溶液中の各成分濃度250 ng/mL)。
酸性成分であるオクタン酸の回収率は、塩析とpH調整をしたことにより、100 %近くに改善しました。またヘッドスペース法よりも振とう法で捕集した場合の方がpH調整の効果がより期待できると考えられます。